INTERVIEW | 2025.03.04

想いを、カタチに。事業人様が選んだ未来の伝え方。

未来を形作る共創者として、企業を超え社会全体の課題解決に挑む株式会社事業人様(以下、事業人)。

「社会そのものの人事部」を掲げる同社は、人的リソースの最適化を通じ、企業だけでなく社会全体の変革を目指しています。リブランディングでは、新たなメッセージ「Future Enabler」を基軸に、ブランドを進化させる挑戦に取り組みました。

その中心となったのが、コーポレートサイトの刷新。従来のサイトでは十分に伝えきれなかったビジョンや活動内容を明確にし、より多くの人々に届ける重要な役割が期待されています。このリニューアルは、単なるデザインの更新ではなく、ブランドメッセージを具現化し、未来を創造する力を発信するための一歩となりました。

本記事では、リブランディングを牽引した株式会社事業人の宇尾野彰大様に、未来へのビジョン、リブランディングへの想い、そして挑戦のプロセスについて伺います。


1. 未来を動かす力「Future Enabler」の真意を探る

「Future Enabler」というメッセージはどのようにして生まれ、どのような想いが込められているのか。その背景に迫ります。

ーリブランディングの背景について教えていただけますか。

  • 以前は、事業人のビジョンやメッセージが十分に伝わっていませんでした。特に、私たちが提供する価値が外部の方々にとって曖昧で、強みを明確に示しきれていない課題があったのです。そこで、「Future Enabler」という言葉を中心に据え、事業人の本質を伝えることが必要だと考えました。

ー“Future Enabler”というメッセージには、どのような意味が込められているのでしょうか。

  • 「未来を見据え、それを実行に移せる力を持つ人材を増やすこと」への強い願いが込められています。日本全体や成長企業にとって、この両立が非常に重要ですが、実際には難しいことも事実です。そこで、私たちはこうした人材を育て、支援するための基盤を提供していきたいと考えています。

ーこのメッセージが、事業人の活動の中心にあるのですね。

  • そうですね。「社会そのものの人事部」というビジョンのもと、企業内だけでなく、社会全体が取り組むべきテーマに向き合いたい。その理念を象徴するのが「Future Enabler」です。

ーこのメッセージに込められた思いは、宇尾野様のこれまでの経験からも影響を受けているのでしょうか。

  • はい。事業人を立ち上げる前、成長企業で人事を担当していた際、組織づくりに本気で取り組む企業が少なく、それを支えるリソースも不足している現実に直面しました。それが事業人の原動力となり、「未来を形作る人材」を増やしたいという想いに繋がっています。

2. サイト刷新を通じたリブランディングの一歩

リブランディングの重要なステップとなったコーポレートサイトの刷新。その背景や込められた想いについて伺いました。

ー以前のコーポレートサイトで感じていた課題感について、内部と外部の視点からどのように捉えられていましたか?

  • 内部的には、「自分たちが伝えたいことがきちんと外部に届いていない」という感覚がありました。一方で、外部からは「事業人はこういうふうに見られているんだな」と気づかされる場面がありました。具体的に指摘を受けることは少なかったものの、「伝わりきっていない」と感じることが多かったのです。これを解消するために、ブランドのビジュアルコミュニケーションについても刷新が必要だと判断しました。

ーGEKIに依頼することになったきっかけを教えてください。

  • リブランディングの話自体は、今回のサイト制作より1年ほど前に始まっていました。方向性が固まり、「これをどう社内外に伝えるか」という課題が浮上したタイミングで、GEKIさんにお願いすることになりました。以前のサイト制作でもお世話になり、その際も私たちのビジョンを的確に形にしてくれた実績があったからです。GEKIさんは私たちの活動を深く理解し、信頼できるパートナーでした。

ーコーポレートサイトの刷新にあたり、どのような期待を持っていましたか?

  • GEKIさんには「事業人らしさ」をしっかり理解しつつ、リブランディングの方向性を超える提案をしてほしいと期待していました。これまでの歴史や文脈を踏まえながら、新しい方向性を素早くキャッチアップして形にしてくれる力があると信じていました。

ーその「事業人らしさ」という点について、具体的にはどのような部分を重視されましたか?

  • 以前のサイトでは、顧客以外の方々や直接の接点がない方への発信が不十分でした。そのため、「近寄りがたい」「何を言いたいのかわからない」という印象を与えることもありました。これを改善するため、親しみやすさや信頼感を重視しました。ただし、事業人としての多様性や可能性を損なうことは避けたかったため、これらのバランスを取りながら、私たちの本質を丁寧に汲み取ってもらうことを期待していました。

3. 「事業人らしさ」を形に

コーポレートサイト刷新の決意を経て、事業人の「らしさ」をどのように形にしたのでしょうか。具体的な取り組みとGEKIとの協働について伺いました。

ー新しいサイト制作では、特にどのような点に注力されましたか?

  • まず、「躍動感」や「可能性」をしっかりと伝えることを意識しました。ただ、それだけではなく、信頼感や根底にある考え方が軽く見られたり、浮いた印象を与えることは避けたいと思っていました。テーマ自体が深いものであるため、落ち着きも必要でした。また、以前のサイトでは情報が分かりづらい部分もあり、事業人が何をしているのか、どのような価値を提供しているのかを、よりシャープに表現する必要がありました。その結果、新しいサイトでは端的でわかりやすい情報発信を重視しました。

ーGEKIの提案で印象的だった点はありますか?

  • 提案そのもの以上に、やり取りの中でのアプローチが印象的でした。「宇尾野さんはこう言っていますが、こういう表現も事業人らしいのでは?」という深い提案が随所にあり、単なる表面的なクリエイティブではなく、私たちの本質を理解しての提案だと感じました。それが、プロジェクトの成功に大きく貢献したと考えています。

ーコミュニケーションにおいて、GEKIとのやり取りはスムーズに進んでいたのでしょうか?

  • 非常にスムーズでした。細かいニュアンスや背景を逐一説明する必要がなく、私たちの考えや文脈をしっかり理解して進めてくれたので、効率的でした。特に提案の仕方や聞き方が上手で、安心して任せられる環境を作っていただきました。こうしたスムーズなやり取りは、過去のプロジェクトから続く信頼関係があったからこそだと思います。

ープロジェクトの中で、苦労した点はありますか?

  • 正直、あまり覚えていません(笑)。私自身、抽象度の高い要望を伝えることが多く、「こんな感じ」「こういう動きが欲しい」といった曖昧な表現でしか伝えられないこともありました。しかし、GEKIさんがそれを具体化してくれたおかげで、最終的に非常に満足のいく形に仕上がりました。現在のサイトは、本当に満足しています。GEKIの皆さんがいてくれたからこそ、私たちの思考を形にすることができたと感じています。

4. 進化を伝えるリニューアルサイトの意義と反響

リニューアルを経て生まれ変わった新しいサイト。その成果と、訪れる人々に与えた印象を深掘りします。

ー完成したサイトをご覧になった際、どのような印象を持ちましたか?

  • とても変わったな、という感覚がありました。以前のサイトでは、事業人の思想や理念は伝わっていましたが、具体的な事業内容が見えづらい部分がありました。それが、新しいサイトでは事例紹介やサービス説明が加わることで解消され、進化を感じさせる仕上がりになったと思います。

ー新しいサイトの成果を示す具体的な数値やエピソードがあれば教えていただけますか?

  • PV(ページビュー)の底上げは実現しましたが、問い合わせやアクセス数などで劇的な数値の変化があったわけではありません。ただし、私たちは特に広告を積極的に打っているわけではないので、定量的な成果以上に、定性的な変化に重きを置いています。例えば、クライアントとの商談時に、事前にサイトを見てイメージを持ってもらえることが増えたことで、説明にかかるコストが減ったと実感しています。これは、新しいサイトが伝えるべきことをしっかり届けられている証だと思います。

ー以前からお付き合いのあったお客様の反応はいかがでしたか?

  • ホームページリニューアルそのものが会話の中心になることは少ないのですが、「リブランディングいいですね」と言われる機会は確実に増えました。また、今回のリブランディングでは名刺やメッセージ、PRなどの要素も含めて一新したことで、「全体的に大きく変わりましたね」という声をいただくことも多いです。これらの反応から、私たちが目指した「進化」がしっかり伝わっていると感じます。

5. 社会そのものの人事部として、共創のその先へ

リブランディングを経て、事業人が描く未来。そのビジョンとGEKIへの期待を伺いました。

ー今後、企業活動を通じて世の中に定着させたいイメージや文化について教えてください。

  • 事業人が掲げる「社会そのものの人事部」という言葉には、二つの大きな思いが込められています。
    まず一つ目は、人事部に相談する感覚がそのまま事業人に切り替わるような存在を目指すということです。例えば、人間関係やチーム作りで困ったときに「こういうときは人事部に相談しよう」と思う場面があると思います。その感覚で、気軽に「事業人に相談しよう」と頼られる存在でありたいと考えています。
    二つ目は、社会全体にとって意味のあることをするという視点です。人事は通常、企業や家族といった単位で成り立っていますが、そうした枠を超えて、社会全体で取り組むべき課題に目を向けたいと思っています。例えば、社会全体を見渡して「この分野にもっと人的リソースを割くべきだ」「ここに時間やお金を投資すべきだ」といったポイントを見出し、そこに向けた仕組みを構築したいのです。社会の課題に取り組むために企業の枠を超えた縦割りの壁を壊し、全体としての価値を創造する。そうした視点を広げていきたいですね。

ーGEKIとの連携について、今後期待していることは何ですか?

  • GEKIの皆さんとは創業時からお互いをよく知る関係であり、他のプロジェクトをご紹介する機会も多くありました。これからも、新しい影響や価値を一緒に生み出せる存在でありたいと考えています。例えば、私たちだけでは手が届かない部分を補い合ったり、互いに課題を共有したりしながら、新たな取り組みを推進していきたいです。事業人だけでなく、他の企業とも連携して共に向かっていける仲間として、これからもGEKIの皆さんと共創していきたいと願っています。

未来を見据え、社会全体の変革に挑む株式会社事業人。

リブランディングによって生まれ変わった公式サイトは、事業人が描くビジョンを多くの人に届ける重要なツールとなりました。

企業を超えた価値提供に向き合う事業人の熱意や挑戦が、これからどのような未来を切り拓くのか、今後も目が離せません。