高い承諾率の裏側。データで「当たり前」を塗り替える、DATUM STUDIO様の採用戦略。

データとテクノロジーの進化が加速する中、企業の成長には優れた人材の確保が不可欠です。
データ分析とAIの分野で急成長を遂げるDATUM STUDIO株式会社様(以下、DATUM STUDIO)も、例外ではありません。
データ活用を軸に、クライアントの経営課題を解決する同社は、さらなる事業拡大を見据え、新卒採用の強化に取り組んでいました。
しかし、求める人材に対して、適切に同社の魅力が伝わっていないという課題がありました。
「どんな人材に、どのようなメッセージを届けるべきか?」
その問いに向き合い、採用ブランディングの強化に挑んだ本プロジェクト。
その背景やプロセス、成果について、DATUM STUDIO株式会社で採用を担当する大竹由希様に伺いました。
1. 成長企業が直面した、”知られざる存在”という課題
急成長を遂げるDATUM STUDIOは、なぜ今、採用ブランディングに取り組む必要があったのか。その真意と、GEKIとの出会いについて、伺いました。
― 採用ブランディングプロジェクト始動の背景には、どのような想いがあったのでしょうか?
弊社は新卒採用において、「アトラクト」、つまり学生の興味を喚起することに最も力を入れたいと考えています。DATUM STUDIOは現在、急成長を遂げており、CAGR(年平均成長率)は25%です。それに伴い、当然ながら人材の確保が急務でしたが、新卒・中途ともに採用数が目標に届いていない状況でした。加えて、「求める人材に出会えていない」という根本的な課題もあり、採用ブランディングを通じて、自社の魅力をより明確に伝えたいと考えていました。
― 採用活動において、特に課題を感じていた点は何でしょうか?
正直、すべてが課題でした(笑)。特に深刻な課題として捉えていたのは、「当社の認知度の低さ」です。例えば、データサイエンティストを志望する学生は、まず有名な大手企業に応募することが大半です。DATUM STUDIOの名前すら知らない学生が多く、選考のスタートラインにすら立てていない状況でした。さらに、同業他社は学会や研究会での広報、イベント出展などを精力的に活動されており、学生への認知度を高めていますが、弊社はそういった活動がほとんどできていなかったため、大きな差をつけられていました。
― 以前の採用活動では、具体的にどのような課題がありましたか?
選考中の離脱率が高いことですね。特に、DATUM STUDIOのことを深く知っていただく機会が少ないことが問題でした。企業理解がないまま選考が進むと、「自分には合わないかもしれない」と感じて離脱してしまうケースが多かったのです。そのため、採用サイトを通じて興味喚起を強め、選考途中での離脱を防ぐことが急務でした。
― GEKIを選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
GEKIさんは、「採用活動における課題を解決する一つの“手段”としての制作物」という視点のもと提案してくださいました。正直なところ、コストは他社にお願いするよりもかなり高かったのですが、私たちは「コストを理由に妥協するべきではない」と考えていました。GEKIさんのご提案は、私たちが伝えたいことの本質を捉えてくださっていて、間違いなく価値があると判断し、依頼を決めました。
2. 採用メッセージ “Dive into Chaos” に込めた想い
DATUM STUDIOが求める人物像は明確でした。「Dive into Chaos」というメッセージに込められた狙いについて、大竹様に伺いました。
― 今回、特に重視した採用ターゲットについて教えてください。
新卒で入社した社員の活躍傾向を分析し、ペルソナを3種類に分けて設定しました。その中でも特に優先度が高いのは「積極的に手を動かすことができるエンジニア型」でした。情報系の学部出身で技術的な素養がある方は、即戦力として活躍できる可能性が高いため、重点的に採用したいと考えました。
― 採用サイトのトップメッセージ「Dive into Chaos」には、どのような想いが込められているのでしょうか?
まず、私たちが扱っている「データ」そのものがカオスであることです。整っていなかったり、複雑だったりする中で、私たちはその「カオスなデータ」を扱い、そこから価値を生み出す仕事をしています。また、IT業界は変化が激しく、カオスな環境にあります。その変化を楽しみながら適応できる方に入社してもらいたい、という想いを「Dive into Chaos」というメッセージに込めました。

― 大竹様にとって、「カオス」とは何でしょうか?
私にとっては、この業界で仕事をしている毎日がカオスです(笑)。特に、DATUM STUDIOの「カオス」と言える部分は、圧倒的なスピード感ですね。変化が激しく、日々多くの変数が絡む中で仕事を進めなければなりません。現場のエンジニアだけでなく、バックオフィスの社員もこのスピード感に食らいつきながら業務に取り組んでいます。そうした環境こそが、プロフェッショナルを育てる場になっていると感じます。
― 採用メッセージやクリエイティブ表現について、GEKIに期待されていたことはありますか?
クリエイティブに関しては正直詳しくないため、「こういうものが欲しい」という具体的な要望は特にありませんでした。それよりも、「どんなサイトが出来上がるんだろう?」という期待感が大きかったので、GEKIさんにはリードしていただきたいと考えていました。私たちの想いをしっかりと理解し、一緒に模索していただいた結果、想像以上に良いサイトが完成しました。本当に満足しています。


3. プロフェッショナルな熱意が創り上げた、唯一無二の採用サイト
互いをプロフェッショナルとして認め合うからこそ生まれた、妥協のないクリエイティブ。その制作プロセスを、大竹様の言葉で振り返ります。
― プロジェクトの進行において、GEKIのどのような点が良かったと感じましたか?
まず、ガントチャートを引いて、プロジェクトの全体像とスケジュールを明確にしていただいた点が素晴らしかったです。例えば、採用サイトのメッセージについても、代表の武智や社員の想いを丁寧にヒアリングし、その上でデザイン案やテキスト案を複数提示して下さったので、非常に検討しやすかったです。
― GEKIとのコミュニケーションをスムーズに進めるために、工夫された点などはありますか?
GEKIさんが毎回議事録を用意してくださったことは、とても助かりました。打ち合わせで決定したこと、次のTODOが明確に整理されていたので、担当者である私も非常に動きやすかったです。普段は他の業務も担っているので、「結局、次は何をすればいいんだっけ?」と迷うことがなかったのは、本当にありがたかったですね。
― サイトの技術的な内容や、メッセージ、コンテンツの細かな調整については、どのように意見交換をされていましたか?
技術的な部分については、私よりも現場のエンジニアの方が詳しいので、最終的な判断はエンジニアの意見を聞いて調整していました。

4. 「会社の魅力が、伝わった」採用ブランディングによるBefore & After
採用ブランディングは、DATUM STUDIOに劇的な変化をもたらしました。数字が示す確かな成果と、社内外に広がる共感の輪とは。
― 採用サイト公開後、どのような成果がありましたか?
まず、採用数ですが、昨年度と比較して今年は1.5倍以上増えて、内定承諾率も大きく改善しました。選考途中で辞退する「選考離脱率」については、厳密なデータは取っていませんが、昨年と比較しても圧倒的に減少していると実感しています。サイトを通じて会社の雰囲気や仕事内容がしっかりと伝わるようになったことで、辞退者が減ったのだと思います。結果的に、採用活動にかかる工数やコストも削減され、より効率的に遂行できるようになりました。
― 社内外からは、どのような反応がありましたか?
社内ではデータエンジニアをはじめとした社員の皆さんが、SNSで弊社の採用サイトについてポストしてくれていて、「ここまで認知が広がっているんだ!」と驚きました。学生からは、「会社の勢いやカルチャーが伝わってくる」という声をいただくことが増え、特に面接の場においては働き方やカルチャーなどに関することで基本的な質問が減りましたね。学生が事前にサイトを見て、情報をしっかりキャッチアップしてくれるようになったのは、大きな変化だと感じています。
― ブランドイメージの変化について、感じることがあれば教えてください。
以前はDATUM STUDIOに対して、何か明確なイメージを持ってもらえているわけではありませんでした。それが今ではマーケットにおける弊社のポジションや勢い、我々の魅力が、学生や候補者の方々にしっかりと伝わるようになってきたと、面接の場でお話している中で実感しています。
― 今回の採用サイトは、期待通りの出来栄えだったでしょうか?率直な感想をお聞かせください。
期待以上です!ここまで素晴らしい採用サイトは見たことがありませんでした。「こんなに良いものができるんだ!」と、本当に驚きました。一人でも多くの学生に見ていただきたいと思えるサイトですし、実際に自信を持って学生の皆さんにご案内しています。

コードを意識させるアニメーションを採用
5. データサイエンスが「当たり前」の世界を目指して
DATUM STUDIOが見据えるのは、データサイエンスが特別な技術ではなく、誰もが当たり前に使いこなせる未来だ。その壮大なビジョンと、採用にかける想いを語っていただきました。
― 今後、DATUM STUDIOとして、世の中にどのような文化やビジョンを定着させていきたいとお考えですか?
代表の武智の想いとして、「データを使って物事を定量的に捉えられる世界にしていこう」という現在のフェーズからさらに一歩進めて、「データサイエンスやデータエンジニアリングが当たり前になる世界」を我々が創っていきたいと考えています。そのためにも、まず事業をさらにグロースさせ、社会に与えるインパクトを大きくしていく必要があります。それに伴いDATUM STUDIOの認知度向上も不可欠です。採用活動を通じて、当面の間優先的に取り組むべき課題である「会社の成長と認知度向上」に貢献できればと思っています。
― DATUM STUDIOの成長と認知度向上のために、採用活動以外で取り組まれていることはありますか?
当社の強みの一つに、「Snowflake」や「 Google Cloud 」をはじめとしたデータクラウドや、データエンジニアリングフレームワークの「dbt™」に関する圧倒的な知見と実績があります。また、パートナーシップも締結しているので、これらのプロダクトに関するイベントには積極的に出展しています。また、技術系の記事やブログをオウンドメディア等で定期的に公開するなど、情報発信を強化することで、業界内での認知度向上を目指しています。実際に、そういった技術コミュニティの中で当社の存在感が高まっており、それをきっかけに中途採用の応募も増えている手応えを感じています。
― 最後に、大竹様から見た、DATUM STUDIOの魅力的な社風について教えてください。
そうですね。何よりもまず、「みんなで成長し、良い会社を創っていこう」という風土が根付いていることです。技術面では、社員一人ひとりが日々新しい技術やサービスをキャッチアップしており、「これが使えるんじゃないか」と活発に議論しています。採用活動に関しても、社員全員が非常に協力的です。これほどまでに採用活動に協力的な会社は、他にはなかなかないのではないでしょうか。会社を良くするために、自分たちができることを積極的に実行していく、そんな文化が根付いていることが、DATUM STUDIOの最大の魅力だと私は思います。
「データサイエンスが当たり前の世界」を目指し、挑戦を続けるDATUM STUDIO。
今回の採用ブランディングプロジェクトは、その未来を共に創る仲間たちとの出会いを、力強く後押ししたことでしょう。
同社が、今後どのような革新を成し遂げ、データサイエンス業界を牽引していくのか、その活躍から目が離せません。