INTERVIEW | 2026.05.22

「情動的」な出会いから始まった、採用ブランディングの一歩目。

ツクルバさま × GEKI 対談インタビュー

採用チームが抱えていた「採用ターゲットの不明瞭さ」と「採用ターゲットへのメッセージング不足」を起点に、GEKIが採用ブランディングのリニューアルを一気通貫で担当した「採用ブランディング」プロジェクト。コンセプト策定からWEB制作を通じて、意思を持ったメッセージを外に出し、ターゲットに届く言葉をつくるための構想と手触りを、株式会社ツクルバ のryoさん kaoriさんに伺いました。

プロジェクトの背景——採用チームが抱えていた2つの課題

——まず、プロジェクトに至った背景から伺えますか。当時の採用チームとして、どんな課題を感じていましたか?

ryoさん: 大きく2つありました。1つは、採用における「求める人物要件」がまだ不明瞭だったこと。当時は自社で定義したものはあったんですが、採用側の視点から見たとき、「本当に活躍しているメンバーってどんな人なんだっけ?」というところに立ち返れていなかった。もう一度ちゃんと見直す必要があるな、と感じていました。

もう1つが、ターゲットとなる人材に対して、会社からのメッセージングが届いていないという課題です。「この人たちに刺さる言葉で、自分たちを伝えられているか?」というところが弱かった。

——メッセージング自体は、以前からあったんですか?

ryoさん: 一応ありました。ただ、意思を持って作ったというよりは、過去から引き継がれたものがそのまま残っていた、という状態です。「まあ緊急の課題じゃないし、一旦このままでいいか」とずっと置かれていた感じで。


提案と実施内容——GEKIとの出会いと、最初の印象

——そんな中で、GEKIへのお問い合わせに至った経緯を教えてください。

ryoさん: 率直に言うと、いろいろな企業をフラットに探していた中の一社でした。採用ホームページをStudioベースで自分たちで編集できる形にしたかったので、Studioの制作事例をひたすら見ていたんです。その中から、ツクルバのカルチャーや雰囲気に合いそうな企業を3〜4社ピックアップしてお問い合わせをして、そこで出会ったGEKIさんだったという経緯です。

——事例を見たときの第一印象はいかがでしたか?

ryoさん: 「情動的」という言葉がパッと浮かびました。Webサイトやホームページって、シンプルでスッキリまとまっていることが多いじゃないですか。でもGEKIさんの事例を見たとき、その企業が体現したいカルチャーやメッセージが、デザインや言葉にそのまま感情ごと乗っている感じがして。それが最初の印象として、すごく嬉しかったです。

——「情動的」、すごく光栄な言葉です。実際に3〜4ヶ月ご一緒してみて、印象はどうでしたか?

kaoriさん: 想像以上に、いい意味でロジカルでした。アウトプットはエモいんだけど、そのエモいアウトプットにたどり着くまでの設計がとてもロジカルで。

デザインとか言葉を作る仕事って、途中のプロセスで「なんとなくいいね」で進んでしまうことが多いんです。でもその「いいね」が何を根拠にしているかは、人それぞれの主観で、共通言語で議論するのはすごく難しい領域だと思っていて。GEKIさんはブランドパーソナリティの整理も、なぜその言葉が出てきたかのロジックも、デザインの方向性も、一つひとつ丁寧に合意を取りながら進めてくれたので、議論がとてもしやすかったです。

どこがズレていてどこがズレていないか、チームメンバーにも諒さんにも、すごく明確に伝えられた。それがスムーズさに繋がっていたと思います。

——他の方に紹介するとしたら、どう紹介しますか?

ryoさん: 「熱くてロジカル」はまず絶対に出てきますね(笑)。

kaoriさん: あと、「チーム感」がすごくありました。クライアントと制作会社、という関係じゃなく、本当にワンチームで動いている感覚。担当の方に伝えた情報が、チームの誰に聞いても同じ解像度で共有されていたんです。それってすごく難しいことだと思っていて、クリエイター同士の情報がバラバラになりがちな中で、「あ、そのお話しましたよね」って誰でも返ってくるのが、信頼に繋がりました。

また、デザイナーの方が直接やり取りしてくださった際に、ロゴのガイドラインについて「自分たちが壊してはいけない」という判断を自主的にしてくれたことも印象的でした。楽をしようと思えばできたのに、ツクルバの中長期的な未来を考えた上で、ちゃんと最善の選択をしようとしてくれていた。そのメンバーへの姿勢が、すごく嬉しかったです。


サイト公開後の変化について

——サイト公開後、学生との接点でどんな変化がありましたか?

ryoさん: 定量的な採用結果はまだこれからですが、学生との会話の中での変化はすでに感じています。「ツクルバって、不動産売買の会社ですよね」という固定イメージを持ったまま来る人が減った気がしていて。「暮らしを作っている会社らしいんですけど、何をやっているんですか?」というフラットな状態で来てくれる学生が増えた印象です。

そうなると、プラットフォームのことや事業の広がりを話したときに、「だからそういうことなんですね」ってすんなり落ちてくれる。カジュアル面談がすごくやりやすくなった、というのが正直なところです。

——「ひっくり返す」コストが減った、ということですね。

ryoさん: まさにそれです。以前は「不動産でしょ」というイメージを一旦崩してから話を始めなきゃいけなかった。その工程がなくなったことで、会話のスタートが変わりました。

——コピーが会話の中で生きている、というシーンもあるんですか?

kaoriさん: あります。対面の説明会で、採用ページに書いてある「仲間と共に、次のあなたをつくる」というコピーを使いながら、「うちは何をするかも大事にしているけど、誰とやるかをすごく大事にしている会社なんです」と話すと、学生さんが先輩社員の存在をちゃんとそういう文脈で受け取ってくれるんですよね。その言葉が記憶に残った状態で次のフェーズに進んでくれているような感覚があります。


今後の展望——採用ブランディングをさらに広げていく

——最後に、今後の展望を聞かせてください。

ryoさん: 採用市場の中で、「ツクルバといえばこういう会社だよね」という認識を、もっと滲み出させていきたいというのはずっと思っていることです。今回のプロジェクトはその一歩目——会社として何をコンセプトとして外に出していくかを決めて、まずWebサイトという形にした段階。これからは横に面を広げていく形で、学生のコミュニティの中でも会社のイメージを変えていきたいと思っています。

kaoriさん: 私は、今回作った採用メッセージやページを、採用フロー全体にどこまで一貫して落とし込めているか、というところに課題を感じています。スカウト文、説明会、インターン、面談でのリクルーターの言葉……細かいコミュニケーションのすべてに、このメッセージが宿っていったとき、すごく強い印象になると思っていて。それはすぐにでも取り組むべきことだなと。

面談の一言ひとことや、フォローメールの文章にも、「一緒に働きたい」という感情が乗るかどうかって、すごく細かい機微だと思うんですよね。でもそこにこそ、策定したコンセプトが感じられる瞬間を増やしていけたらと思っています。


編集後記

今回のインタビューを通じて印象的だったのは、「情動的」という言葉でした。ツクルバさんがGEKIのポートフォリオを見た瞬間に浮かんだというこの言葉は、「感情ごとデザインに乗っている」という意味を込めたものでした。

「ロジカルだけど、エモさもある」——佳織さんが語ったこのフレーズも、プロジェクトの進め方そのものを表していた。共通言語で議論できる設計があったからこそ、感情に訴えるアウトプットが生まれた。その両立が、「ワンチーム感」という信頼につながっていったのだと思います。

「ひっくり返すコストがなくなった」という言葉も印象的でした。採用における第一印象は、その後のすべての対話の前提を変える。コピーが学生の口から自然に出てくるという変化は、ツクルバさんが伝えたいカルチャーと結びついた証の一つ。

今後、このブランドメッセージがスカウト文や面談の言葉にまで浸透していったとき、ツクルバの採用はさらに大きく変わっていくはずです。そのプロセスに伴走できることを、チームとして楽しみです。